今夜味わうのは、パン・オ・トラディショネル(札幌市中央区)の「パンオレザン」。ラム酒漬けレーズンとバター香るクロワッサン生地の調和に、思わず感心した一品でした。
今日一日、本当にお疲れ様。
1日を終えた自分を甘やかすための、特別な時間。期待に胸を膨らませながら、グラスにウイスキーをちょっとだけ注ぐ。
今夜のお楽しみは、「パンオレザン」。大阪万博のフランスパビリオンで話題になったパンスイスやクロワッサンが並ぶ、パン・オ・トラディショネルのパン。ずっと口コミを見て「いつか行きたいな」とチェックしていた。
───やっと、この店のパンを味わえる。
今夜、選んだパンは

紙袋からそっと取り出すと、まず目を引いたのは、香ばしく焼き上がったクロワッサン生地。きつね色に輝く生地は美しい渦を描き、軽やかな層の隙間からレーズンが静かに顔をのぞかせる。その端正な佇まいに、ひと口目への期待が自然と高まった。
少し大きく感じたので、20cmのお皿にのせてみる。お皿の上でも存在感のあるサイズ感。くるくると巻かれた生地の美しい層と、ところどころに見えるレーズンが、シンプルながらも印象的な表情を見せていた。
現れた断面は、軽やかな食感を予感させる美しさ
───パンにナイフを入れる。
お気に入りのアルコスのナイフをゆっくりと前後させる。
ザクッ。スーッ。スーッ。スーッ。
生地を割り刃は最後まで気持ちよく入っていく。現れた断面は、軽やかな食感を予感させる美しさだった。

まずは、生地だけを味わってみる
───生地だけを先に口に含んでみる。
表面の薄皮はパリッと香ばしく、中はほどよくしっとり。噛むたびに、バターの風味がじんわりと口いっぱいに広がっていく。薄く重なった生地を一枚ずつ味わうだけでも、このパンのおいしさは十分に伝わってきた。

レーズンが苦手でも食べやすそうと感じた
次に、レーズンのある中心部分を味わってみる。
レーズンは口の中で粒感が残るタイプではなく、すっとほどけるようにやわらかい。レーズンが苦手な人でも食べやすいと感じるほど、いい意味でレーズンらしさが前に出すぎていない。
カスタードを巻き込んだ生地とレーズンのバランスも絶妙。それぞれが主張しすぎることなく、ひとつの味わいとしてきれいにまとまっている。
甘さもちょうどよく、ロックのウイスキーとの相性も抜群だった。気づけば、グラスに手が伸びる回数が少し増えていた。

今夜の記録
実は店頭で、700円を超えるパンスイスにも目が留まった。そのときは少し迷って見送ったけれど、このパンオレザンを食べて、「次はあれを選ぼう」と決めた。
それと、シンプルなクロワッサンも気になっている。余計なものを足さないパンほど、お店の実力が伝わる気がするからだ。

